電話は嫌いだ。
声しか頼りのない中で
その中に
少しでもいらだちや戸惑いの感情を感じ取ってしまうのではないかと
いつも躊躇する。
それ故、普段自分から電話をするのは
電話をかけても大丈夫、と勝手に思っている数人以外は
よほどの用事がある時だけに限られる。
それでも
年に数回は自分から電話する。
母の日と、父の日と、両親の誕生日に。
今年も父の誕生日を迎え、次の日に電話した。
最初は母が出た。
母は延々と自分がしたい話をするので
途中で遮らないと目的を達成できない。
「ちょっとお父さんと代わってくれる?」
父に代わった。
「誕生日なんで電話しました」
「誕生日はもうあまりめでたくない年になったなあ」
「生まれたことはめでたいんじゃないの?とりあえず。」
「そうか」
庭の話をひとわたりして、電話を切った。
ひとまず元気そうだった。
よかった。
このときだけは、電話でよかったと思う。
顔を合わせるととにかく喧嘩になるから。
いい大人なのだがそれだけはどうにもならない。
父との折り合いの悪さも
この偶の電話が、多少ごまかしてくれていると思っている。
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